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- 五条弾とくのたまちゃん(9)
- 呪術廻戦(8)
- 名探偵コナン(7)
- 概要(1)
2025年6月11日の投稿[2件]
#五条弾とくのたまちゃん
すみません名前変換付けてないんで、デフォ名垂れ流してます。
支部投稿の「ビジネス」の後日談?
ミヨシちゃん、前髪伸びたね、と言って自分の家のテーブルに大学の課題を広げて睨めっこをしている彼女の、前髪を触った。
中指でそっとその髪を持ち上げて、耳にかけてやる。彼女は少し微笑んで、五条に目線を向けた。
「もう少ししたら、切りに行こうと思うんですけど」
「目に入ると、目が悪くなっちゃうよ。折角今、視力悪くないのに」
言うと彼女は、そうですね、と言って五条が触っているのと反対側の前髪を触った。切ろうかどうか、悩んでいるのだろう。
「俺でよければ前髪くらいなら、切ってあげられるよ。自分の前髪も切ってたし、高坂のも……、あ」
「陣左さんのも? どうかしましたか?」
「……いやちょっと、昔のことを思い出して」
何か覚えがある気がすると思ったら、昔にこうして高坂の前髪を触って、切ってあげるよ、などと言っていたことがあったのだ。あのときの五条と高坂は『只ならぬ関係』に見せるための、演技をしていた。
高坂に腰を抱かれていたし、キスもどきもしたし濡れ場もどきも演じた……、その時と同じような『恋人に触れるような』という動作で過去と全く同じことを彼女に対してもしてしまったことに、五条は一抹の申し訳なさを覚えた。
全くそんなわけはないのだが、少しだけ、浮気してしまったような気持ちになったのだ。何というか、本妻と浮気相手に同じプレゼントを渡すクズ男の気持ちである。
「……ごめんね、ミヨシちゃん」
「え、何がですか。……高坂さんの前髪切るの、失敗したんですか?」
「いやそういうわけじゃなくて」
ごめぇん……と呟きながら、五条はぐりぐりと彼女の肩に自分の頭を押し付けた。彼女は全く訳が分かっておらず、え、え、何がですか、あと五条さんちょっと重いですぅ……、とか言いながら、五条にぐりぐりと頭を押し付けられ、されるままになっている。
昔から、自分が恋人相手にする仕草には変わりがないということが、なんだかとても照れ臭くなってしまった五条さん、というわけである。
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すみません名前変換付けてないんで、デフォ名垂れ流してます。
支部投稿の「ビジネス」の後日談?
ミヨシちゃん、前髪伸びたね、と言って自分の家のテーブルに大学の課題を広げて睨めっこをしている彼女の、前髪を触った。
中指でそっとその髪を持ち上げて、耳にかけてやる。彼女は少し微笑んで、五条に目線を向けた。
「もう少ししたら、切りに行こうと思うんですけど」
「目に入ると、目が悪くなっちゃうよ。折角今、視力悪くないのに」
言うと彼女は、そうですね、と言って五条が触っているのと反対側の前髪を触った。切ろうかどうか、悩んでいるのだろう。
「俺でよければ前髪くらいなら、切ってあげられるよ。自分の前髪も切ってたし、高坂のも……、あ」
「陣左さんのも? どうかしましたか?」
「……いやちょっと、昔のことを思い出して」
何か覚えがある気がすると思ったら、昔にこうして高坂の前髪を触って、切ってあげるよ、などと言っていたことがあったのだ。あのときの五条と高坂は『只ならぬ関係』に見せるための、演技をしていた。
高坂に腰を抱かれていたし、キスもどきもしたし濡れ場もどきも演じた……、その時と同じような『恋人に触れるような』という動作で過去と全く同じことを彼女に対してもしてしまったことに、五条は一抹の申し訳なさを覚えた。
全くそんなわけはないのだが、少しだけ、浮気してしまったような気持ちになったのだ。何というか、本妻と浮気相手に同じプレゼントを渡すクズ男の気持ちである。
「……ごめんね、ミヨシちゃん」
「え、何がですか。……高坂さんの前髪切るの、失敗したんですか?」
「いやそういうわけじゃなくて」
ごめぇん……と呟きながら、五条はぐりぐりと彼女の肩に自分の頭を押し付けた。彼女は全く訳が分かっておらず、え、え、何がですか、あと五条さんちょっと重いですぅ……、とか言いながら、五条にぐりぐりと頭を押し付けられ、されるままになっている。
昔から、自分が恋人相手にする仕草には変わりがないということが、なんだかとても照れ臭くなってしまった五条さん、というわけである。
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デフォ名垂れ流し 現パロ
01.レモングラス(風化/苦い/ギター)
多分、何にも知らないんだよね、と五条は彼女を後ろから抱き込みながら、小さく呟いた。
「ずっと昔から一緒にいた気になってて、俺は多分君のこと、あんまりたくさん知らないんだ」
「……そうですか?」
「うん。例えば目がいいとか悪いとか、君が数学は苦手なことは知ってるけど逆に昔から得意だった科目とか、ミヨシちゃんが俺といないときは何してるとか、そういうこと」
「……うーん、視力は悪くないほうです。あんまりゲームとかしないからじゃないのって昆奈門さんが。
得意な科目は、美術がずっと好きで美術館の目録とか眺めるのも好き。
五条さんと一緒にいないときは、昆奈門さんのお家で陣左さんとか尊奈門と一緒にいたり、昆奈門さんと出かけたり。お菓子作るのも、好き」
後ろから回された五条の腕に触れながら、彼女はちまちまと話した。まだ恥ずかしいのか、後ろから見ても耳が少しだけ、赤い。
「……知らなかった」
彼女の体を、肩を後ろから抱きしめて、首元に擦り付きながら言えば五条の膝の上に抱き上げられたままの彼女は、アワ…と小さな声で鳴いた。恥ずかしそうにする割に、逃げようともしない。
彼女はちまちまと五条の膝の上で自分の体の向きを変えて、少し落ち込んだように自分を見る、五条の目を覗き込んだ。
「……逆に五条さんはどうですか?」
「目はあんまりよくないからコンタクトしてるし、眼鏡もする。ゲームは時々、反屋たちとしてたかな……。
得意科目は、どうだろう。どれが飛び抜けて得意とか不得意とかがなかったかも。
ミヨシちゃんと一緒にいないときは、本を読んだり映画観たり、反屋と椎良と遊びに行ったりもするかも」
「あの……違ってるかもですけど、五条さん昔ギター触ってませんでしたか?」
「ギター?」
唐突に聞かれて、五条は怪訝に彼女を見た。ややあってから、そう言えば、高校生の頃の夏休みに反屋の父親が昔買ったというギターを見つけて、押都に少し教わりながら三人で交代して遊んでいたことがあったかもしれない、と思い出す。
そう話すと、彼女はやっぱり、とほんわり笑った。
「皆さんでハミングしながら弾いてたのを見かけて、なんか、いいなぁって」
「そう?」
「私の幼馴染は尊奈門だけですし、男と女なのでそこまでずっと一緒にはいなかったですし」
確かに彼女の言う通りで、彼女と尊奈門は幼馴染らしく気安く話しているし仲も良さそうだけど、べったりではない。そう思うと、自分と反屋と椎良と高坂の四人というのは、いつもべったり仲良しだったのだな、と思う。
「私は五条さんのこと、知ってることもあれば知らないこともあるし、これからもずっとたくさん知っていきたいです。
今までのことも、これからのことも」
「……うん」
そう言って、少し笑った彼女のほうが自分よりもずっと大人のように思えて、五条もなんだかつられて笑った。
好きなことも嫌いなことも、嬉しかったことも嫌だったことも、これからもずっとずっと二人でお喋りして、笑い合えたらいい。そう思っている。
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